糖質制限とは
糖質制限が流行り、最近は糖質制限という言葉は結構一般の方々にも浸透してきているように感じますね。
一度糖質制限についてざっくり説明。
糖質制限と言うと「糖質制限ダイエット」というイメージは強いかもしれませんが、もともとは糖尿病の方のための食事療法です。
それで体重が減るので糖質制限ダイエットとして広まったいったような感じがあります。
そもそも糖尿病とは、糖質を摂ることにより血糖が高値になりインスリンが分泌されますが、それが続いてしまうとインスリン抵抗性が生まれインスリンに対する反応が鈍くなります。
そうなるとインスリンの血糖を下げる働きが十分に発揮されなくなり、血液中の糖(ブドウ糖)が増えてしまい糖尿病になってしまうというわけです。
なので、糖質制限とは「糖質制限食で糖の摂取を抑え血糖コントロールをしよう」という食事療法です。
これからは糖質制限=糖質制限ダイエットの意味で使います。
糖質制限といってもやり方は様々。
スーパー糖質制限といって全く糖質を摂らない(調味料の砂糖やみりんも使わないという人もいるとか)やり方もあれば甘い物はとらないようにするというようなゆるいやり方もあります。
朝食と昼食は主食を食べるけど夕食は食べないなど、糖質制限で体調が改善している方は自分に合うやり方でやられているように感じます。
食事療法としての糖質制限もダイエット目的の糖質制限も「血糖値の急激な上昇を抑える」という目的は共通しています。
なぜ血糖値の急激な上昇を抑えると体に良いのか
血糖値が急激に上昇すると急激に下降することがあります。
血糖値スパイクという言葉を聞いた事があるかもしれませんが、急激に血糖値が上昇することよりその後必要以上に血糖値が下がってしまい低血糖症になってしまいます。
低血糖症というのは厳密に言うと低血糖とは違います。
血糖値が必要以上に下がってしまい低血糖の様な症状が出ることです。
低血糖とは糖尿病の方が血糖値を下げる薬を飲んでいたりすること起きることがあります。
汗をかく、脈が速くなる、手や指が震える、不安な気持ちになる、頭痛、集中力の低下、生あくび、酷くなると意識の無い状態になることがあります。
しかし、副腎疲労症候群などで血糖値を保つ事が難しくなっていたりすると糖尿病でない人も上記のような症状が出てきます。それが低血糖症です。
食後に血糖値が急上昇するとインスリンが急激に出され、血糖値が急激に下がるので食後に猛烈な眠気がきますし、血糖値が下がりすぎて低血糖になると不安な気持ちになったり、集中力が低下したりするので、血糖値の急激な上昇を抑えると上記のような症状を避ける事ができるので、日常がとても過ごしやすくなる方が多いようです。
他にも血糖値スパイクがあることで心血管病やがん、認知症の発症率も上がるということもわかってきているので、血糖値の安定は様々ところに影響があると言えます。
糖質制限は万能な食事法か
糖質制限についてと糖質制限の目的について簡単に説明したので、糖質制限は万能な食事法なのか?と言うところを考えてみたいと思います。
上記の内容を見ていたら糖質制限がとても良い食事法のような気がしてきます。
血糖値の安定にも繋がるし減量できるし。
しかし、糖質制限で余計に体調を崩される方も多いです。
それはなぜか。
一番の原因は「血糖コントロールができていない人」にとって糖質制限は合わないです。
なぜかというと血糖コントロール出来ていない人は上記で説明した低血糖症があることが多いです。
通常ならば肝臓に貯蔵していあるグリコーゲンが必要に応じてブドウ糖の形になり血中に送り込まれる事で血糖を安定させています。
これを糖新生と言いますがこの糖新生がうまくいってないことにより血糖コントロールがうまくいかなくなります。
こういう人の場合は糖質を頻回小食で摂取して血糖コントロールをする必要があります。
糖質を制限するどころか糖質を継続的に摂取してあげないといけないのです。
また、私たちのエネルギーは細胞内のミトコンドリアで生成していますが、そのエネルギーを生成する回路は解糖系と電子伝達系の二つがあり、簡単に言うと解糖系の後に電子伝達系でエネルギーを作るようになっています。
解糖系と電子伝達系のエネルギー産生の馬力はイメージとして解糖系が人力、電子伝達系がエンジンというイメージでしょうか。
解糖系では少ないエネルギーしか作れないのに、副腎疲労がある人は電子伝達系まで回っていない人が多いので、解糖系のエネルギーでやっと生活しています。
そして解糖系は文字の通り糖であるグルコースが必要になります。
そのエネルギーのもとになるグルコースの供給が糖質制限によってなくなってしまうので、糖質制限をしたことによって疲れる、だるいなどの体調不良が出てしまう方もいます。
逆に糖質制限でうまくいく人は糖新生がきちんと働いて血糖コントロールができていて、脂質代謝も問題無くケトン体が上手に産生される方であれば合うでしょう。
脳の細胞は主にブドウ糖をエネルギー源としますがそれ以外にケトンも使う事が出来るので脳のエネルギー代謝にも影響がないのです。
このように見ると糖質制限は万能な食事法ではなく、人によって合う合わないがあると言うことです。
ある人にとっては良い食事法になるけど、ある人にとっては悪い食事法になる。
糖質制限の興味をもち試してみることは良いことだと思いますが、効果がでなかったり始める前より体調が悪くなってしまった場合は注意が必要です。
良かれと思って糖質制限をしているため、効果が出なかったり体調が悪くなってしまうと、糖質制限のやり方が悪いのだと思いより厳しくしてしまう人がいます。
それでさらに体調が悪化していまう方もたくさんいます。
もし、糖質制限を試してみて効果がいまいち出ない、体調が思うように改善しないと言う場合は、糖質制限が合わない体質なのかもしれないという視点ももって頂きたいです。
結論、万人に合う万能な食事法はありません。
しかし、一人で探していくのは大変だと思います。
専門家にカウンセリングしてもらったり、このブログを参考にして頂いたりして今の自分の会う食事法を探していって頂きたいと思います。